地域資源と伝統工芸を連携させた三重県の新ブランド
すかやオリジナル
御山杉染めとは
百以上の宮社から成る日本人の心のふるさと、神宮。
伊勢の神鎮まる神域、神宮の杜で生まれ育った杉が「神宮杉」と呼ばれます。
神宮の杜の木である神宮杉は伐採が許されておらず
自然災害などで朽ちた杉のみが、ごく稀に民間の市場へと出回ることが許される、
神からの賜物となります。
そんな我々の前に姿を現した賜物は樹齢500年以上の杉が、
「御山杉(みやますぎ)」と称され、
全国の銘木の中でも幻の最高級品として取引されます。
今回は、この希有な御山杉を植物染料として、下染めの原料として使用しました。
今回、三重県の「伝統産業の新たな魅力創出事業」に、私どもすかや呉服店が選出されました。
県の地域資源として指定されている御山杉を、植物染料として、
絹100%の着物生地の下染めで誂えさせていただきました。
悠久の時の流れを感じさせる年輪には、
きめ細やかで神秘的な美しさを感じることができ、
どことなく艶やかな模様にも見えます。
古来より二千年以上に渡って祈り捧げ続けられてきた人々の想いに触れることで
心の奥から溢れてくる感謝の想いがこの御神木に特別な力として宿り
我々に喜びと幸福をもたらしてくれます。
選び抜かれた素材
−紋意匠−
経糸に駒撚糸、地緯(じぬき)に強撚糸、絵緯(えぬき)に
生糸や諸撚糸、柞蚕糸などを用いた緯二重織縮緬です。
緯糸が二重になって織り出されることにより、光沢のある地紋がはっきりと浮き出て見えて、
染めるとその地紋が引き立ちます。
−駒無地ちりめん−
最良質な糸を使い、高度な製織技術を駆使して織り出されたもので、
友禅染の最高級素材といわれています。
重厚感があり、光沢があるので上品な高級感があり、染料の染め付きも良く、
染め上がりの発色も大変美しさを表現してくれます。
−小千谷紬・濱紬−
紬(つむぎ)は繭から糸を繰り出し、撚り(より)をかけて丈夫な糸にして織ったもので、
元は屑繭からつくった真綿を引き伸ばして紡ぎ出しています。
糸の太さが均一でなく節があるので、織り上がったものは
手触りがざっくりしていてその味わい深さが、洒落感を演出してくれます。
匠の技
手描き友禅は、意匠考案・下絵・糊置き
引染・挿友禅などに分業化され、"染め"の職人の高度な技術と意匠の集大成として、
染匠の創作意図のもと創られています。
手描き友禅は徹底した分業作業であり、様々な職人の高度な技術の集結であるため、
各工程で最高の技術が発揮されなければなりません。
着物作りには、出来上がりからは見えないこだわりが随所に散りばめられており、
手描き友禅の伝統的な図柄を軸に、
華やかさ、気品、時には大胆な迫力さえ感じるこもあります。
手描き友禅は徹底した分業作業であり、様々な職人の高度な技術の集結であるため、
各工程で最高の技術が発揮されなければなりません。
着物作りには、出来上がりからは見えないこだわりが随所に散りばめられており、
手描き友禅の伝統的な図柄を軸に、
華やかさ、気品、時には大胆な迫力さえ感じるこもあります。
御山杉染め
伊勢型小紋
伊勢型紙とは
伊勢型紙は小紋、友禅、ゆかたなどの柄や文様を着物の生地に染めるのに用い、美濃和紙を渋柿で貼り合わせた下紙(型地紙)に彫刻刀で細かく精緻な柄を丹念に彫りぬいたものです。伊勢型紙は99%が三重県鈴鹿市白子地区で生産されており、千有余年歴史を誇る伝統的工芸用具です。
染の型紙として一世を風靡したのは江戸時代に入ってからで各藩の大名・武士の裃(かみしも)にはじまり、町人文化が花開く江戸中期には爆発的に需要が伸び、伊勢型紙は飛躍的な発展を遂げました。
伊勢型紙は、細かいものであれば3センチ四方に900粒以上という細かな模様郡が彫られています。目にする人々は、人間技とは思えない
緻密さと美しさに歓声をあげることもあります。
御山杉染め伊勢型小紋は、伊勢型紙職人である内田 勲 氏によって
新作を彫り上げていただきました。
伊勢型紙伝統工芸士 内田 勲 氏
昭和19年9月15日生まれ
昭和40年4月 伊勢型紙彫刻(渋谷 二郎 氏)師事
平成5年10月 国指定重要無形文化財 伊勢型紙技術保存会伝承者に認定
平成10年5月 アメリカ カルフォルニア州のサンタバーバラ美術館の招待を受け同美術館にて一週間の実演を行う
平成12年2月 通商産業大臣指定伝統工芸士 彫り部門(引彫り)の認定を受ける
平成12年11月 第五回日本伝統工芸士展に入賞
平成23年4月 鈴鹿市伝統工芸士会長を務める
平成25年11月 経済産業省伝統的工芸品産業功労者経済産業大臣表彰を受ける
引染め
作成した型紙で生地に糊置きをします。
へらを上手に動かしながら均一に糊を置き、ていねいに
型紙をはがして、図柄がズレないようにまた型紙を置き、
糊を置くという作業を繰り返します。
糊の部分には染料がつかないので、型紙を彫った部分が
模様として現れます。
そして最後に「引染」という技法を使って生地を染めていきます。
生地に染料液を刷毛で塗り付けて染める方法です。
長い生地を刷毛で染めていくため、着物一反分を均一に同じ色に
染めるのは大変に高度な技が必要となります。